相模灘に正対した三浦半島の西岸で、帆と夕景を客室の正面に置いて泊まれる宿として、編集部が選んだ 5 軒を紹介する。逗子小坪のリビエラ逗子マリーナから、葉山・森戸海岸、秋谷の高台、そして佐島の入江まで。東京駅から逗子駅まで横須賀線でおよそ 1 時間、そこからバスかタクシーで 10 分から 20 分という距離に、海がそのまま部屋の一部になる小規模な宿が点在している。海外のビーチリゾートを知る旅人が週末に戻ってくるのは、この海岸線が西を向いているからだ。夏はヨットの帆が夕光に染まり、空気の澄む季節には水平線の向こうに富士が立つ。

# ホテル エリア Score 客室 目安価格 1行特徴
1 葉山ホテル音羽ノ森 横須賀・秋谷 93 15 ¥99–¥119k 全室オーシャンビューバスのスイート、1987 年創業の高台
2 スケープス ザ スィート 葉山・森戸海岸 92 4 ¥69–¥96k 砂浜が正面の 4 室、色をテーマにしたデザインホテル
3 マリブホテル 逗子・小坪 90 11 ¥118–¥132k マリーナと椰子並木を望む全室 50 ㎡超のオールスイート
4 葉山 うみのホテル 葉山・堀内 88 61 ¥23–¥34k 最上階の展望浴場と、葉山の作家によるアートが並ぶ館内
5 佐島マリーナホテル 横須賀・佐島 86 28 ¥20–¥32k 1965 年創業、宿泊者限定のクルージングを備えたマリーナ併設
↕︎ 地図右下の角をドラッグすると高さを調整できます

※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。

1. 葉山ホテル音羽ノ森 — 横須賀・秋谷

長者ヶ崎の高台に 1987 年から立つ、全室がオーシャンビューバスを備えたスイートだけの一軒。

Media Picks Score: 93 / 100  15室、リゾートホテル。

目安価格 ¥99,000–¥119,000 / 泊(2名1室・今後90日の販売価格帯)


葉山ホテル音羽ノ森 — 横須賀・秋谷 · 屋外プライベートプール付きスイートから相模灘を望む
PHOTO: 葉山ホテル音羽ノ森 — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

秋谷の高台という立地が、この宿のすべてを決めている。海岸線より一段高い斜面に建つため、客室の窓は遮るものなく相模灘へ開く。公式サイトによれば客室は全室がスイートで、オーシャンビューのバスルームを備えた 10 タイプ。屋外プライベートプール付き、屋外ジャグジー付き、メゾネット、水盤テラス付きと構成が分かれ、広さは 44 ㎡ から 106 ㎡ まで幅がある。食事は三浦野菜、相模灘の魚介、葉山牛を軸にしたフレンチと鉄板焼で、夕食の卓をどちらにするか選べる。1987 年の創業以来この場所で営まれてきたという継続性が、設備の新しさとは別の落ち着きを室内に与えている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この宿は当該エリアで最も評価の集中している一軒として現れる。傾向として強いのは、客室からの眺望と浴室の設え、そして食事の完成度に関する評価だ。少数ながら、高台ゆえのアクセスの癖——駐車場までの急坂や、公共交通で向かう際のバスの本数——に触れる声も混じる。価格帯に対する期待値が高い層が集まるため、評価の分布は上に寄りつつも厳しさを含む。総じて「滞在そのものを目的にする宿」として受け止められている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    記念日に部屋から出ない滞在を組みたい二人旅、海外のリゾートで水回りの質を見慣れた旅人、小型犬と過ごす週末(ドッグフレンドリースイート)
  • 向かない:
    小さな子ども連れでレストランでの夕食を望む旅程(レストランは 12 歳以上、11 歳以下はルームサービスでの案内)、車高の低い車で来る人(駐車場まで急坂)、宿泊費を抑えたい旅程

具体情報

  • 最寄り: JR 逗子駅からバス約 20 分「長者ヶ崎」下車、徒歩約 3 分(タクシー約 15 分)
  • 客室サイズ: 44〜106 ㎡(全 10 タイプ、全室オーシャンビューバス付きスイート)
  • チェックイン: 15:00〜 / アウト 〜11:00(OTOWA スイートのみ 12:00)
  • 食事: 夕食はフレンチまたは鉄板焼から選択、朝食は海を望むレストラン
  • 創業: 1987 年
  • 駐車場: 宿泊者専用 15 台・無料(バレーサービスあり)
  • その他: 館内全面禁煙、人工温泉のスパ、英語版サイトあり


2. スケープス ザ スィート — 葉山・森戸海岸

森戸海岸の砂浜が正面にある 4 室だけのデザインホテル。名島の鳥居と葉山灯台が、そのまま窓の景色になる。

Media Picks Score: 92 / 100  4室、コンパクトデザインホテル。

目安価格 ¥69,000–¥96,000 / 泊(2名1室・今後90日の販売価格帯)


スケープス ザ スィート — 葉山・森戸海岸 · 海に面したスイートのベッドルームとテラス
PHOTO: スケープス ザ スィート — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

客室はわずか 4 室。公式サイトは、葉山の音・光・海・空という自然の要素を 4 つの色に置き換え、それぞれを 1 室ずつに与えたと説明する。最も広いサックスブルーは 95 ㎡、マンダリンオレンジは 64 ㎡。床材やシーツの素材、照明の明るさまで色の世界観に従って選ばれており、部屋を選ぶ行為が滞在の設計そのものになる。正面には富士山と江ノ島。全室 1 泊朝食付きで、レストランは葉山の食材を使ったフランス料理。サックスブルーの宿泊者は、サンセットの時間帯に 4 階テラスを貸し切りで使える(事前申請制、天候と予約状況による)。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、部屋数の少なさに比してレビュー数がまとまっており、評価は高い水準で安定している。集約された傾向として繰り返し現れるのは、立地の近さ——海までの距離がほぼゼロであること——と、館内の静けさ、そして 4 室という規模ゆえの応対の密度である。一方で、子どもの宿泊を受け付けていない方針や、駐車台数の制約(6 台)に関する言及も一定数含まれる。評価軸が「広さ」ではなく「密度」に置かれている宿だと言える。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    静けさを最優先する二人旅、デザインと素材で部屋を選びたい旅人、海までの距離をゼロにしたい滞在
  • 向かない:
    子ども連れの旅程(未就学児の添い寝を除き宿泊不可)、大人数のグループ、繁忙期に車で直前に立ち寄りたい旅程(駐車場 6 台)

具体情報

  • 最寄り: JR 逗子駅からバス約 15 分「森戸海岸」下車、徒歩 1〜2 分(品川から逗子まで横須賀線で約 50 分)
  • 客室サイズ: 52〜95 ㎡(全 4 室、色をテーマにした 4 タイプ)
  • 食事: 全室 1 泊朝食付き、レストランは 11:30〜21:00
  • 開業: 2007 年 7 月
  • 駐車場: ホテル併設 6 台・無料
  • 予約開始: 平日は 6 か月前、土日祝と金・祝前日は 2 か月前の同日 10 時から


3. マリブホテル — 逗子・小坪

椰子並木とヨットの係留地の向こうに江の島と富士。全 11 室、すべて 50 ㎡ を超えるオールスイート。

Media Picks Score: 90 / 100  11室、スモールラグジュアリーホテル。

目安価格 ¥118,000–¥132,000 / 泊(2名1室・今後90日の販売価格帯)


マリブホテル — 逗子・小坪 · スイートの窓越しに椰子並木とマリーナへ落ちる夕陽
PHOTO: マリブホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

三浦半島西岸の北端、リビエラ逗子マリーナの一角に建つ。公式サイトが掲げるコンセプトは「何もしない贅沢」で、客室は 11 室すべてが 50 ㎡ 以上のオールスイート。最上級のマリブスイートは室内 93 ㎡ にバルコニー 51 ㎡ が付き、インテリアにはカリフォルニアの ALEXANDER DESIGN が取り入れられている。ミニバーの飲み物とスナックは無料で、1 日 1 回補充される。プライベートヴィラとアクアスイートは犬と過ごせる客室として設計され、前者には 41 ㎡ のガーデンテラスが付く。鎌倉の主要な寺社まで車で 5 分から 20 分という位置関係も、この宿の使い方を広げている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、11 室という規模に対してレビューは十分に蓄積されており、評価は非常に高い位置で安定している。集約された傾向として明確なのは、客室の広さと椰子並木越しの景観に対する評価、そして犬連れでの滞在に関する満足度の高さである。一方で、価格帯が周辺と大きく異なることに触れる声もあり、期待値の設定が滞在の印象を左右しやすい宿だと読める。海に降りるというより、海を見下ろす位置で過ごす宿である点は、予約前に把握しておきたい。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    犬と一緒に週末を過ごす旅、鎌倉観光と海辺の滞在を一本の旅程で結びたい人、広い客室で数泊を過ごすワーケーション
  • 向かない:
    宿泊費を抑えたい旅程、温泉や大浴場を滞在の中心に置きたい人、公共交通のみで身軽に動きたい旅程

具体情報

  • 立地: リビエラ逗子マリーナ内(神奈川県逗子市小坪)、都心から約 1 時間
  • 客室サイズ: 室内 50〜93 ㎡ + バルコニーまたはガーデンテラス 7〜51 ㎡(全 6 タイプ)
  • 周辺: 光明寺まで車 4 分、鶴岡八幡宮まで 13 分、鎌倉大仏まで 17 分、江の島まで 30 分
  • 犬同伴: プライベートヴィラ / アクアスイートで可
  • 設備: 無料ミニバー、シモンズ製ベッド、ベビーベッド・ベビー布団の貸出あり


4. 葉山 うみのホテル — 葉山・堀内

半世紀この海を見てきたビール会社の建物を受け継いだ、最上階に展望浴場を持つ葉山マリーナ隣の一軒。

Media Picks Score: 88 / 100  61室、シティリゾートホテル。

目安価格 ¥23,000–¥34,000 / 泊(2名1室・今後90日の販売価格帯)


葉山 うみのホテル — 三浦郡葉山町堀内 · 流木のアートが下がる吹き抜けのロビーラウンジ
PHOTO: 葉山 うみのホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

公式サイトによれば、この場所には半世紀のあいだ海を見守ってきたビール会社の瀟洒な建物があり、うみのホテルはその場所と時間を受け継いでいる。最上階には水平線を望む浴場が置かれ、大浴場は江の島にちなんで「Enoshima」、小浴場は森戸海岸にちなんで「Morito」と名付けられた。いずれも天然の鉱石である光明石を使った人工温泉で、利用は宿泊者と葉山女子旅きっぷ(ごほうび券)の保持者に限られる。客室はパノラマオーシャンフロントのツインから、畳のある和室、ガーデンビューのダブル、キャビン型のバンクルームまで幅広い。ロビーラウンジを飾るのは、葉山の海岸に流れ着いた流木を集めて制作された漂流物のアート。館内のあちこちに、地元の作家の作品が置かれている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、この 5 軒のなかで最も母数が大きい部類に入り、評価は安定して高い。集約された傾向として繰り返し現れるのは、最上階の浴場から見る日没の時間帯、朝食の内容、そして館内の空気の設計に関する評価だ。一方で、バリアフリー対応ではないこと、駐車台数が限られること、部屋タイプによって設備と広さの差が大きいことへの言及も見られる。価格帯に対して得られるものが多い一軒として受け止められている。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    葉山を初めて訪れる旅人、浴場のある海辺の宿を探している人、自転車で海岸線を移動したい滞在(シェアサイクルステーション併設)
  • 向かない:
    段差のない動線が必要な人(館内はバリアフリーではない)、車で来て駐車の確実性を求める旅程(敷地内は事前予約制の有料駐車場で台数限定)、天然温泉を条件にしている人

具体情報

  • 最寄り: JR 逗子駅から京急バス約 7 分「清浄寺」下車すぐ(東京駅から逗子駅まで約 1 時間)
  • 客室: ラグジュアリー / スーペリア(和室あり)/ ダブル / バンクルームの 4 系統
  • 浴場: 最上階の大浴場「Enoshima」と小浴場「Morito」、光明石を用いた人工温泉、宿泊者と葉山女子旅きっぷ保持者のみ
  • 朝食: 注文後に作る選べるモーニングプレート、三浦野菜のサラダビュッフェ付き
  • 設備: シェアサイクルステーション(HELLO CYCLING)併設、全館禁煙(1 階屋外に喫煙スペース)
  • 言語: 英語版サイトあり


5. 佐島マリーナホテル — 横須賀・佐島

1965 年創業。マリーナに併設され、宿泊者だけが夕方の海へ船で出られる、この海岸線で最も古い一軒。

Media Picks Score: 86 / 100  28室、マリンリゾートホテル。

目安価格 ¥20,000–¥32,000 / 泊(2名1室・今後90日の販売価格帯)


佐島マリーナホテル — 横須賀市佐島 · 相模灘へ日が落ちるプールサイドのテラス
PHOTO: 佐島マリーナホテル — 公式サイトを見る →

なぜ選ばれるか

この記事の 5 軒のなかで、海との関係が最も具体的な宿である。公式サイトによれば創業は 1965 年。ハーバー側と、富士山・江ノ島側とで客室の向きが分かれ、全室にベランダが付く。ツインは 28〜31 ㎡ が 14 室、デラックスツインは 51 ㎡ で、正面に江ノ島と富士山を望む。2 階には展望風呂、3 階の海側には夏季のシーサイドプール(2026 年は 7 月 11 日から 9 月 6 日、10 時〜18 時、宿泊者は滞在中何度でも無料)。そして金・土・日には宿泊者限定のウェルカムクルージングが 15 時 30 分ごろから約 40 分間、2 名から 6 名で運航される(大人 3,300 円、荒天・海況により中止あり)。朝には裕次郎灯台・葉山方面へ向かう 60 分のコースも用意されている。

集約レビューの傾向

公開レビューデータを集計すると、レビューの母数はこの海岸線で最大級で、評価は堅実な水準にまとまっている。集約された傾向として明確なのは、海に対する立地とマリンアクティビティへの評価、そして家族連れでの利用のしやすさである。一方、建物の年季に触れる言及も一定数あり、新しさを求める層とは評価が分かれる。設備の新旧よりも、海に出られること自体を価値と見る旅人に強く支持されている宿だと読み取れる。

向く人 / 向かない人

  • 向く:
    船に乗ることを旅の目的に置く人、夏に子ども連れでプールと海を組み合わせたい家族、宿泊費と体験のバランスを取りたい旅程
  • 向かない:
    新しい建築とインテリアを重視する人、公共交通だけで移動する旅程(逗子 IC から車で約 20 分の位置)、静けさだけを求める滞在(夏季はプール利用で賑わう)

具体情報

  • 最寄り: 横浜横須賀道路・逗子インターから車で約 20 分
  • 客室サイズ: ツイン 28〜31 ㎡(14 室)、デラックスツイン 51 ㎡ ほか和洋室・和室・スイート
  • チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜11:00(プランにより異なる場合あり)
  • 創業: 1965 年
  • 海の体験: 金土日のウェルカムクルージング(約 40 分・大人 3,300 円)、60 分ボートクルージング(9:00 / 10:30 発)、小型船舶免許のプライベートレッスン
  • その他: 全室禁煙(3 階に喫煙所)、2026 年 4 月 25 日から 4〜6 歳の未就学児に施設使用料 1,100 円、英語版サイトあり


よくある質問

Q. ベストシーズンはいつですか?

A. 帆と夕景を主題にするなら、編集部が推すのは初夏から初秋である。マリーナに係留された艇が最も動く季節で、日没の時刻も遅く、夕食前の時間に空が焼ける。一方、水平線の向こうに富士の稜線をはっきり見たいなら、空気の乾く晩秋から冬が確実に上回る。海に入る計画がないなら、この海岸線は冬こそ視程が伸びる。

Q. 予約のタイミングは?

A. 客室数が一桁の宿ほど早い。スケープス ザ スィートは公式サイトで、平日は 6 か月前、土日祝と金曜・祝前日は 2 か月前の同日 10 時から受付を開始すると案内している。マリブホテルとスケープスは貸切利用で埋まる日があるため、記念日など日付が動かせない旅程は早めに押さえたい。佐島マリーナホテルと葉山うみのホテルは客室数に余裕があり、比較的直前でも選択肢が残りやすい。

Q. 子ども連れでも泊まれますか?

A. 宿によって方針が大きく分かれる。スケープス ザ スィートは未就学児の添い寝を除き子どもの宿泊を受け付けていない。葉山ホテル音羽ノ森はレストランが 12 歳以上のため、11 歳以下と泊まる場合はルームサービスのプランでの案内となり、12 歳未満 1 名の添い寝は無料。佐島マリーナホテルは家族向けの客室とプールがあり、2026 年 4 月 25 日から 4〜6 歳の未就学児に施設使用料 1,100 円が加算される。

Q. 犬と一緒に泊まれる宿はありますか?

A. 2 軒ある。葉山ホテル音羽ノ森はドッグフレンドリースイート(10 kg 未満・2 頭まで)を用意し、マリブホテルはプライベートヴィラとアクアスイートが犬同伴に対応する。前者は水盤テラス付き 80 ㎡、後者はガーデンテラス 41 ㎡ 付きの構成で、いずれも屋外空間を犬と共有できる設計になっている。

Q. アクセスは?

A. 起点は JR 逗子駅(京急なら逗子・葉山駅)である。東京駅から横須賀線で約 1 時間、新宿からは湘南新宿ラインで約 1 時間。そこから葉山うみのホテルまでバス約 7 分、スケープスまで約 15 分、音羽ノ森まで約 20 分。佐島と小坪は車が現実的で、横浜横須賀道路・逗子インターから佐島まで約 20 分。羽田空港からは京急で直通の列車も走っている。

Q. 海外からの旅行者でも滞在しやすいですか?

A. 葉山ホテル音羽ノ森、葉山うみのホテル、佐島マリーナホテル、マリブホテルの 4 軒は英語版の公式サイトを公開している。羽田空港から京急で向かえる距離は、成田や関西の主要リゾートと比べて明らかに短い。葉山という土地そのものが、黒潮の影響で冬は暖かく夏は涼しいことに着目した外国人医師と公使の進言を経て、明治 27 年に御用邸が造営された保養地であるという経緯を持つ。この海岸線が最初から「滞在するための海」として選ばれた場所であることは、いまも空気に残っている。

本記事の参考情報

森戸神社(森戸大明神)境内案内図 — 名島(菜島)の鳥居、葉山灯台、飛柏槇など森戸海岸の地理と由緒
葉山町観光協会 — 葉山町の観光情報とアクセス
横須賀市観光協会 — 秋谷・佐島を含む横須賀市西岸の情報

編集部から

この 5 軒を並べて見えてくるのは、同じ相模灘に向かっていても、海との距離の取り方が一軒ごとに違うということだ。秋谷は高台から俯瞰し、森戸は砂浜と同じ高さに立ち、小坪は係留された艇越しに見下ろし、堀内は最上階の湯から眺め、佐島は船で出てしまう。価格帯が 6 倍近く開くのも、部屋の広さではなく、この「距離の設計」に対価が付いているからだろう。東京から 1 時間という近さは、本来なら旅の価値を下げる条件のはずだが、この海岸線に限っては逆に働く。日没だけを見に行って、翌朝の早い電車で帰る——そんな使い方ができる海が、他にどれだけあるだろうか。

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