東京の竹芝桟橋から船で24時間、空港のない小笠原の父島と母島で泊まる宿として、編集部は父島3軒・母島2軒の計5軒を選びました。北緯27度、本土から南へ約1,000キロ。朝の甲板から見える海は、島の人がボニンブルーと呼ぶ深い藍です。2011年の世界自然遺産登録から15年を経ても、ここへ来る手段はおおむね6日に1便の定期船だけ。だからこそ宿選びは、港からの距離、浜や森への近さ、食事を宿でとれるかどうかで決まります。本稿では客室6〜14室の小さな宿を、父島の奥村・扇浦・東町、そこからさらに船で2時間の母島へと、船の進む順に並べました。海と島の文化に関心を持つ旅人へ向けた5軒です。
| # | ホテル | エリア | 客室 | 目安価格 | 1行特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | Hotel PAT INN | 父島・奥村 | 13 | — | 島を拓いた一族の末裔が案内する歴史と夜のツアー |
| 2 | ホテル・ホライズン | 父島・扇浦 | 14 | — | 扇浦の浜の前、島魚のコース夕食を出す二食付きの定番 |
| 3 | ハートロックヴィレッジ | 父島・東町 | 8 | ¥21–¥28k | 二見港から徒歩1分、バリアフリー対応客室を持つ港前の宿 |
| 4 | クラフトイン・ラ・メーフ | 母島・静沢 | 10 | — | 沖港から徒歩3分、島魚と島野菜の二食付きで連泊できる |
| 5 | Le Ciel(ルシエル) | 母島・元地 | 6 | — | 自然ガイドが営む集落中心の6室、素泊まりと朝食付き |
※ 目安価格は公開販売価格の集計に基づく参考値で、実際の予約料金とは異なります。1泊2名利用時の1室あたり料金(税込)です。小笠原の宿は販売データが限られるため、集計に足る1軒のみ掲載し、「—」の宿は各宿の公式掲載料金(多くは1名あたり)を本文に記しています。客室数は各宿の公式サイトおよび観光協会の掲載に基づきます。
1. Hotel PAT INN(ホテル パットイン) — 父島・奥村
二見湾の奥、奥村の通りに開いたガラスの一階。島を拓いた一族の末裔が営む、13室の家族経営ホテル。
13室(和室3・洋室10)、小規模ホテル。
目安価格は集計に足る販売データがなく、掲載を見送りました。料金は下の「具体情報」に公式掲載分を記します。

なぜ選ばれるか
父島の宿のなかで、土地の歴史そのものを滞在に組み込める一軒として編集部が最初に推したい宿です。理由は三つあります。第一に、宿が自ら催行するツアー。島の歴史を辿るアイランド・ヒストリー・ツアーと、夜の生きものと星を見るナイトツアーが用意され、歴史ツアーの案内役は1830年に父島へ最初に定住した一団の一人、ナサニエル・セーボレーの血を引く開拓者の末裔です。第二に、館内にレストランを備え、朝食付きで泊まれること。飲食店が大村に集まる父島で、奥村に食の拠点があるのは日程を組むうえで効いてきます。第三に、2015年開業という建物の新しさ。全室にバス・トイレと冷蔵庫、無料の無線LANが入り、長期滞在の受け入れも明記されています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、総合評価は父島の宿のなかで上位の水準にあり、集計件数も島内で上位の厚みがあります。評価が高い宿は件数が薄いことの多い島で、両方が揃っている点が今回の首位の根拠です。編集部の見立てでは、設備の新しさと、宿・食事・ツアーを一か所で完結できる構成が評価の安定につながっていると言えます。一方で、海に面したリゾートの眺めを期待する旅程とは性格が異なります。ここは浜の宿ではなく、集落の宿です。
向く人 / 向かない人
- 向く: 島の成り立ちや欧米系島民の歴史に関心がある旅、ガイド付きの歴史ツアーとナイトツアーを宿で手配したい人、新しめの設備を優先する一人旅や仕事を兼ねた長期滞在
- 向かない: 客室から白砂の浜を眺めたい旅程(立地は奥村の集落内)、ペット同伴の旅(受け入れなし)
具体情報
- 所在地: 東京都小笠原村父島字奥村(二見湾の東側、宮之浜・清瀬・奥村地区)
- 客室: 13室(和室3・洋室10)、定員32名。全室バス・トイレ、エアコン、冷蔵庫
- 食事: 館内にレストラン。宿泊は朝食付きが基本(料金は公式サイトまたは直接問い合わせ)
- 通信・設備: 各部屋と共用スペースで無線LAN無料。共用の洗濯機・乾燥機・電子レンジあり
- 支払い: クレジットカード可(VISA・Mastercard・AMEX ほか)
- 開業: 2015年
- 注意: ペット不可、室内禁煙
2. ホテル・ホライズン — 父島・扇浦
扇浦の白砂を庭越しに置くオレンジの三階建て。全14室、夕食は島魚のコースという父島の定番。
14室(3タイプ)、小規模リゾートホテル。
目安価格は集計に足る販売データがなく、掲載を見送りました。料金は下の「具体情報」に公式掲載分を記します。

なぜ選ばれるか
父島で「浜の前に泊まる」という条件を満たす宿は限られ、その代表がこの一軒です。選んだ理由は三つ。第一に立地で、扇浦の浜がエントランスの庭のすぐ先に広がります。港のある大村から車で約10分離れるぶん、夜は集落の灯りが少なく、海と空の暗さが残ります。第二に食事。夕食は18時から20時30分、アカバ(アカハタ)やチギ(バラハタ)といった島魚と肉料理を主菜にしたコースで、朝食は和食とアメリカン・ブレックファストの日替わりです。第三に、送迎の体制。定期船の到着時に港で荷物を預かり、ツアーの集合場所や買い物への送迎にも応じると明記されています。車を持たない旅人が扇浦に泊まるうえで、ここが実務上の支えになります。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、総合評価は島内上位の水準で安定しており、件数も一定の厚みがあります。編集部の見立てでは、評価を支えているのは浜との距離と二食付きの構成で、島の宿としては価格帯が高いことが好みの分かれ目になると見て取れます。料金は一人あたりの二食付きで示され、二名一室のオフ期でも一人35,200円から。素泊まりで外食を重ねる滞在とは設計が別物であり、宿で過ごす時間に対価を払う旅人のための一軒と言えます。
向く人 / 向かない人
- 向く: 浜が目の前にあることを優先する滞在、夕食を宿のコースで完結させたい二人旅、記念の節目に島を選んだ人
- 向かない: 大村の飲食店を毎晩歩いて巡りたい旅程(港から車で約10分)、素泊まりで費用を抑えたい長期滞在、ははじま丸の早い便に徒歩で乗りたい日程
具体情報
- 所在地: 東京都小笠原村父島扇浦。二見港から車で約10分(港〜ホテルの送迎あり)
- 客室: 全14室。スタンダード・ツイン10室、デラックス・ツイン2室、スイート・ツイン2室(2階・3階)
- チェックイン: 14:00〜 / アウト 〜10:00
- 食事: 夕食 18:00〜20:30(島魚と肉料理のコース)、朝食 7:00〜8:30(和食・洋食の日替わり)
- 公式掲載料金: 1泊2食・1名あたり、2名1室のスタンダードで35,200円(オフ)〜38,500円(ハイ)。2026年10月1日〜2027年3月31日の設定で、ハイは12月27日〜1月2日。宿泊税別
- 貸し出し: ぎょさん(島のサンダル)無料、シュノーケルセット1日1,100円
- 取消料: 通常期はチェックイン20日前から発生(包括料金の20%〜)
3. ハートロックヴィレッジ — 父島・大村(東町)
二見港から歩いて1分、ガジュマルの木陰にテラスを置く8室。「快適だけどエコ」を掲げる港前の宿。
8室(洋室7・スイート1)、小規模ホテル。
目安価格 ¥21,000–¥28,000 / 泊 (2名1室・素泊まり基準。おがさわら丸の出港中に限る割安な設定を含む)

なぜ選ばれるか
船を降りてから客室までの距離が最も短い、という一点で選んだ宿です。港から徒歩1分。24時間の航海のあとに坂も送迎待ちもないことは、想像以上に効きます。加えて三つの理由があります。ツアー事業者が営む宿で、海・陸・夜のツアーと宿泊、カフェを同じ敷地で手配できること。客室の床にチーク、カウンターにウォールナットの一枚板を使い、各室に専用テラスを設けていること。そして、出入口から浴室まで段差をなくしたバリアフリー対応の客室を持つこと。離島の小規模宿でこの客室を備える例は多くありません。2010年5月に完成した建物で、素泊まり・朝食付き・二食付きを選べます。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、集計件数は父島の宿のなかで最も厚い部類に入ります。一方、総合評点は今回の集計では算出対象の水準に届かず、スコアは件数の厚みと編集部の評価で組み立てました。三位という順位はその結果であり、評価が低いという意味ではありません。編集部の見立てでは、港と商店・飲食店の近さが支持の中心にあり、逆に集落の只中ゆえ、夜の静けさや浜の近さを最優先する人とは求めるものがずれると見ています。
向く人 / 向かない人
- 向く: 到着日と出港日の動線を短くしたい旅、海と森のツアーを宿でまとめて手配したい人、車椅子や介助を伴う旅(バリアフリー対応客室あり)、二航海以上の長期滞在
- 向かない: 人の気配から離れて過ごしたい滞在(港と商店街のすぐそば)、浜を目の前に置きたい旅程
具体情報
- 所在地: 東京都小笠原村父島字東町。二見港から徒歩1分
- 客室: 8室(洋室7・スイート1)、定員23名。スタンダード/海側デラックス/スイート/バリアフリー対応客室
- 公式掲載料金: 1名あたり、2〜3名利用のスタンダードで素泊まり13,000円・朝食付き15,000円・二食付き18,000円。海側デラックスは2名利用で素泊まり16,000円から
- 食事: 素泊まり・朝食付き・二食付きを選択。併設カフェで小笠原産コーヒーを提供
- 通信・設備: Wi-Fi・有線LAN、全室バス・トイレ。共用の洗濯機・乾燥機は無料
- 完成: 2010年5月
- 取消料: 船便の欠航による取消は無料。通常期はチェックイン20日前から発生
- 支払い: クレジットカード可。ペットは応相談
4. クラフトイン・ラ・メーフ — 母島・静沢
沖港から歩いて3分。全室バス・トイレ付き、島魚と島野菜の二食を出す、母島で最も宿らしい宿。
10室(8タイプ)、ペンション。
目安価格は集計に足る販売データがなく、掲載を見送りました。料金は下の「具体情報」に公式掲載分を記します。

なぜ選ばれるか
父島からさらに船で2時間。人口が500人に満たない母島で、二食付き・全室バス・トイレ付きという条件を揃える宿として編集部が選んだ一軒です。理由は三つあります。第一に、ははじま丸が着く沖港から徒歩3分で、港では荷物を預かって宿まで運ぶ体制があること。第二に食事。母島で水揚げされる魚と地元の野菜を使い、島に伝わる料理を、和洋中の技法で仕立て直して出します。飲食店の数が限られる母島では、宿の夕食がそのまま旅の食の中心になります。第三に、客室の幅。一人用のシングルから、ロフトと専用デッキを持つ最大6名のコテージまで8タイプがあり、一人旅と家族連れが同じ宿に収まります。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、母島の宿のなかでは集計件数が最も厚く、島を訪れる旅人の受け皿として選ばれ続けていることが分かります。総合評点は今回の集計では算出対象の水準に届かず、スコアは件数と編集部の評価で構成しました。編集部の見立てでは、二食付きの安心感と港からの近さが支持の軸で、環境への配慮から使い捨ての歯ブラシや髭剃りを置かない方針は、事前に知っていれば長所、知らなければ戸惑いになる点と言えます。
向く人 / 向かない人
- 向く: 母島で食事の心配をせずに連泊したい旅、乳房山や南崎を歩く自然観察の滞在、3名以上の家族・グループ(コテージとスーペリアあり)、釣りを目的にした旅(遊漁船の案内あり)
- 向かない: ホテル型のサービスや館内施設を求める人、アメニティを一式揃えてほしい旅(歯ブラシ・髭剃りは持参)、父島からの日帰りで母島を済ませたい日程
具体情報
- 所在地: 東京都小笠原村母島字静沢。沖港から徒歩3分(人の送迎はなし、荷物は港で預かり宿まで運搬)
- 客室: 10室・定員26名(母島観光協会掲載)。シングルからコテージまで8タイプ、全室バス・トイレ付き
- 食事: 1泊2食付きが基本。夕食なし・朝食なしにも事前連絡で対応
- 料金: 2026年4月に改定。部屋タイプと利用人数で変わり、繁忙期は加算あり。最新の料金表は公式サイトで確認
- 子ども: 3歳以下は宿泊料なし(寝具・食事は別途)。4歳から子ども料金の設定あり
- 通信・支払い: 各室で無線LAN、クレジットカード可
- その他: レンタルバイクの取り扱いあり
5. Le Ciel(ルシエル) — 母島・元地
元地の集落の真ん中、吹き抜けの木のロビーを持つ6室。自然ガイドが営む、母島歩きの拠点。
6室(シングル3・ツイン1・スイート2)、小規模宿。
目安価格は集計に足る販売データがなく、掲載を見送りました。料金は下の「具体情報」に公式掲載分を記します。

なぜ選ばれるか
五軒目には、宿の主が自然ガイドでもある一軒を置きました。母島は、固有種の鳥ハハジマメグロが集落の庭先に現れ、乳房山の登山口が集落から歩いて届く距離にある島です。その森へ入る案内と寝床が同じ窓口にあることが、この宿を選んだ第一の理由です。第二に立地。沖港の船客待合所から徒歩約5分、飲食店と商店がすべて徒歩5分圏内にある集落の中心で、食事を外でとる素泊まりの滞在が成り立ちます。第三に、全6室それぞれにトイレと、浴室またはシャワーを備えること。ロフトにベッドを置いた最大4名のスイートが2室あり、乳幼児用の消毒ケースなど子連れ向けの備品も予約制で用意されています。
集約レビューの傾向
公開レビューデータを集計したところ、この宿の集計件数は五軒のなかで最も少なく、総合評点も算出対象に届いていません。スコアが下限に近いのはデータの薄さによるもので、編集部の評価が低いためではない点を明記しておきます。母島の宿はそもそも公開レビューの蓄積が少なく、数字だけで序列をつけることに限界がある。そのうえで、ガイドと宿の一体運営、集落中心という立地、各室に備わる水回りという三点を根拠に、五軒目として挙げました。
向く人 / 向かない人
- 向く: ガイド付きで母島の森と海を歩きたい旅、集落の食堂や商店を使いながらの素泊まり・朝食付き滞在、仕事を兼ねた長期滞在、乳幼児連れの家族(備品は要予約)
- 向かない: 夕食を宿でとりたい旅程(朝食のみ提供、軽食の販売あり)、2026年10月19日〜11月9日に母島へ渡る日程(休業期間)、遅い時刻まで客室を使いたい人(チェックアウトは9:00)
具体情報
- 所在地: 東京都小笠原村母島字元地。沖港船客待合所から徒歩約5分
- 客室: 全6室。シングル3室、ツイン1室、スイート2室(最大4名、ロフトにベッド)
- チェックイン: ははじま丸の着岸後 / アウト 〜9:00(延長は1時間500円、最大4時間)
- 公式掲載料金: 1名あたり、シングル素泊まり10,000円・朝食付き11,500円。ツインは素泊まり12,000円から、スイートは15,000円から
- 食事: 朝食は母島近海の魚と島野菜の和食。夕食の提供はなく、ロビーで軽食を販売
- 支払い: 現金、クレジットカード、QRコード決済
- 休業: 2026年10月19日〜11月9日(11月10日から営業再開)
よくある質問
Q. ベストシーズンはいつですか?
A. 海に入る旅なら梅雨明けの6月下旬から8月が中心で、夏休みと年末年始、ゴールデンウィークは宿の繁忙期料金と取消料の条件が変わります。冬はザトウクジラの季節にあたり、父島と母島を結ぶははじま丸は航海中にクジラが見られることが多い時期です。編集部が推すのは、船と宿の予約が比較的取りやすい初夏と秋です。
Q. 何泊必要ですか? 母島まで足を延ばせますか?
A. 来島手段は定期船おがさわら丸のみで、片道24時間。通常のダイヤでは東京を出て同じ船で戻る一航海が5泊6日(船中2泊・島3泊)になります。母島へは父島でははじま丸に乗り換えて約2時間。便はおおむね週4〜5便で片道だけの日もあるため、母島に泊まる日程は時刻表で接続を確かめてから宿を押さえるのが順序です。
Q. 予約のタイミングは?
A. おがさわら丸の乗船券は乗船日の2か月前の朝9時に発売され、繁忙期は一斉発売日が別に設けられます。父島では現地で宿を探すことが難しく、野営も村の条例で禁じられているため、宿を先に確保してから船を手配する流れになります。ははじま丸は事前予約がなく、当日に乗り場で片道ずつ購入します。
Q. 子連れでも泊まれますか?
A. 公式情報で子どもの受け入れ条件を確認できたのは3軒です。ホテル・ホライズンは6〜11歳の料金設定があり、全タイプにエキストラベッドが入ります。クラフトイン・ラ・メーフは3歳以下の宿泊料がかからず、和室とコテージがあります。ルシエルは乳幼児用の消毒ケースなどを予約制で用意しています。PAT INN とハートロックヴィレッジは予約時に確認を。母島には薬局がないため、酔い止めや常備薬は父島までに揃えておくことが前提です。
Q. 支払いは現金が必要ですか?
A. PAT INN、ハートロックヴィレッジ、ラ・メーフ、ルシエルはクレジットカードに対応し、ルシエルはQRコード決済も使えます。ただし母島ではカードが使える宿と店が限られると観光協会が案内しており、島内の移動や食事のために現金を用意しておくのが確実です。母島にはバスもタクシーもなく、集落の外へは有償運送かレンタルバイク、ガイドツアーを使います。
本記事の参考情報
・小笠原村観光協会 — 父島の宿泊施設・ツアーの基本情報
・小笠原母島観光協会 — 母島への行き方、島内の移動手段、宿泊施設一覧
・小笠原海運 — おがさわら丸の時刻表・乗船券
・Wikipedia: 小笠原諸島 — 定住の歴史と世界自然遺産登録の背景
編集部から
5軒に通底するのは、港・浜・森のどれに近いかという一点で宿の性格が決まっていることです。父島では奥村の歴史、扇浦の浜、東町の港。母島では二食付きの静沢と、ガイドのいる元地。小笠原の宿は公開レビューの蓄積が本土の観光地よりずっと薄く、数字で言えることには限りがあります。そのぶん本稿では、各宿が公式に掲げている事実を多めに書きました。海に入るなら夏、クジラを見るなら冬。船のダイヤが日程を決め、宿がその中身を決める島です。24時間かけて着いた港から、さらに2時間先の島まで行く理由を、あなたならどこに置くでしょうか。